2023年度 理事長所信

一般社団法人日野青年会議所

2023年度 理事長所信

第51代理事長 髙橋 健

 

「はじめに」

 これまで50年間、一般社団法人日野青年会議所は「明るい豊かな社会の実現」に向けて、半世紀という長い歳月のなか日野の発展の為、先輩諸兄姉が築いてきた歴史があり、様々な事業を展開してきました。先輩達の日野を良くしたいという想いが、日野青年会議所に受け継がれているからこそ、現在の私たちも活動が出来ていることだと思い、そのことに心から感謝をしています。

 しかし、ここ数年は新型コロナウィルス感染症の拡大により、私たちの生活や働き方に多くの変化が起こりました。それは青年会議所運動においても同じです。例えば、会議や事業ではWEB会議ツールなどのICT技術が導入され、対面で顔を合わせなくてもコミュニケーションが可能になりました。コロナ禍前には想定もしなかった社会の変化が起こっており、今後もまた、予想だにしない変化が起こるかもしれません。私は、こうした社会の新しい変化を、絶好の成長の機会であると位置付けています。社会の変化に対応しながらも「明るい豊かな社会の実現」に向けて青年会議所運動に邁進していきます。

 私は青年会議所入会後、様々な運動に携わりました。その過程において、自身の苦手分野への挑戦や、自分の限界を超えた事業構築など、様々な機会を得ました。そうした経験の中で、青年会議所に入会しなければ関わらないであろう多種多様な人と会い、様々な考え方などに気づき、学ぶことができました。目まぐるしく変化する社会の中において、青年会議所運動が変わらずに成長出来る機会であり続けるために、私たち自身が時代に則した人材へと成長し続けることが必要です。結果、私たちは地域で活躍するリーダーとなります。

 

「まちと人を繫ぐ」

 私は自然あふれる日野市で生まれ、育ちました。田んぼや用水路、浅川が近くにあり、幼少時代の遊びでは、友人と共に、自然と生き物に触れることが多くありました。まちにある自然を通して人との繋がりを学び、当たり前のように出会いを経験してきた幼少時代。昔と比べると田んぼや用水路は減り、住宅へと変わってきていますが、それは時代の流れでもあり、私たちが変化していくきっかけでもあります。私が考えるまちづくりとは、人と人との繋がりが根源にあります。どれだけ時代の変化が激しくても、出会いや会話のツールが変わっても、人と人との交流の場を大切にしていくことが必要であり、全ては出会いから始まります。人との繋がりがなぜまちづくりに必要なのかといえば、どこのまちにも熱量や想いを持った人がおり、このような人達が繋がっていくと、さらにその熱量や想いが増えていきます。日野市の魅力に自然環境、歴史、産業、交通などがありますが、魅力あるものには必ず人が関わっており、そこにいる人は熱量や想いが溢れています。そうした人が繋がることによって、更なる熱量が生まれ、まちに対する想いもさらに溢れていくのではないかと考えます。だからこそ人と人との繋がりがまちづくりに必要不可欠です。

 私たちは日野のまちを隅から隅まで走り回り、人、まち、地域諸団体を繋げる仕組み作りを行っていきます。新型コロナウイルス感染症による出会いの制限があるからこそ、出会いの形や、まちの楽しみ方の変化に対応したまちづくりを実践していきます。地域の様々な方々にご協力を頂きながら、繋がりが当たり前のまちへとなるよう運動していきます。

 

「未来へ繋ぐ周年」

 1973年1月28日に設立した一般社団法人日野青年会議所は、本年度で50周年を迎えます。50年という歳月には、このまちを少しでも良くしたいという、情熱を持ち運動を続けてきた数多くの先輩諸兄姉が紡いできた歴史があります。今までどのような事業が行われ、どのような変化がもたらされたのか、私たちは学べる環境があり、先輩たちとの出会いが私たちを成長させます。

 温故知新という言葉があります。日野の未来のために運動した50年の歴史を振り返り、先輩諸兄姉の想いを改めて学ぶことで、私たちは新しい日野の未来を描いていくことができます。

 これからも未来は変化していく中で、先輩たちの変わらない想い、先輩からいただいた成長の機会を、後輩たちへ繋いでいくために、私たち自身が時代に則した人材となり、未来に向かい青年会議所運動に邁進していきます。

 

「仲間を繫ぐ拡大」

 本年度、一般社団法人日野青年会議所は、近年で最少人数の会員数でのスタートです。会員数が少ないと事業規模が縮小します。しかし、地域課題を解決するために行う青年会議所運動が出来なくなるわけではありません。一つ一つの事業にメンバー全員で取り組む気概を持ち、地域の人たちと積極的に繋がりを持つことで、私たちという人を知ってもらいます。そうすることで新たな仲間に出会えるはずです。私たち青年会議所メンバーは、「明るい豊かな社会の実現」という共通の志を持ち、普通に生活していたら決して交わらなかったであろう多様な業種・考え方を持つメンバーが集っています。ここでの仲間同士の出会いが私たちを成長させています。そして、新たな仲間との出会いは私たちを更に成長させます。

 本年度は、人と人とが出会う機会を増やしていきます。出会いこそが拡大運動の一番大切な部分であり、青年会議所メンバーには、新たな仲間と出会う為、生活の中で人やまちにアンテナを張ってもらいたいと考えます。

 私たち自身がまちにいる志を同じくする仲間たちとの出会いの機会を作り、私たちの想いを伝えていきます。人と人が出会い、繋がることが、青年会議所運動の前向きな姿勢にも繋がると考え、新たな仲間との出会いを求めていきます。

 

「結びに」

 人は人でしか磨かれない。

 私は、これまでの青年会議所における様々な機会を通じて、この言葉を強く実感しました。人との出会いで磨かれる自分自身の成長を、共に運動する仲間や後輩にも感じてほしい。40歳の卒業までに、多くの人と出会い、そこから得る気付きを実践して失敗をおそれず前に進んでいくことが、まちにとって、そして何より自分自身にとってより良い変化をもたらすことは間違いありません。その先にはかけがえない仲間との絆が生まれていきます。客観的に他人事にすることなく、主観的に自分事と捉えることが必要であり、人との出会いで磨かれる自身の成長を共に実感していきましょう。

 本年度は、改めて青年会議所とはなにか、過去を振り返るとともに、未来を描く節目の年となります。多くの先輩諸兄姉が積み重ねてきた地域への想いを紡ぎ、日野というまちのため、青年会議所メンバーのため、誠心誠意運動に邁進することをお誓い申し上げ理事長所信とさせていただきます。

 

 出会いとは成長だ。