一般社団法人日野青年会議所2025年度 理事長所信

第53代理事長 日下部 祐梨子

飛躍

~学びと挑戦の場~

【はじめに】

私たち日野青年会議所は、「明るい豊かな社会」の実現を目指して、先輩諸兄姉の皆様が作り上げたこの歴史と伝統を受け継ぎながら、地域諸団体の皆様のご協力を頂いて、地域と共に50年以上にわたり、 歩んできました。2025年度、私たちはより一層、地域に点在する魅力や人同士を繋ぎ「日野」と「日 野青年会議所」の存在感を発揮させる運動をしてまいります。
こうした運動を行っていくためには、現在私たちが直面するコロナ禍に起因する人間関係の希薄化や、 高度情報化社会の急速な進展、経済の低迷、予測不可能な危機への対応など、地域の課題を私たち一人ひ とりが認識し、今、自分たちに何が出来るのかを考え、行動することが必要だと考えています。
日野青年会議所には頼れる仲間たちがいます。私たちは、気力も体力も一番パワーのある年代の集ま りです。職種も価値観も多様な会員が多角的な視点で地域の課題に真摯に向き合い、「日野」のより良い 未来を創造し、持続可能な地域社会を創ることが私たちの使命だと考えています。この使命を果たすた めに、日野青年会議所が会員にとっての「学び」と「挑戦」の場となり、まちのために全力で行動しなが ら、成長を実感できる組織にしてまいります。

【まちを想う青年経済人をつくる】

私はこの自然豊かで人の温かな日野市で生まれ、この地域でパンの製造販売業を営む両親のもとで、まちの人やモノに身近に触れ、様々な体験を通して産業に興味を持ちました。日野市では、歴史ある寺社 や庭園があり、地域各地で行われるお祭りが盛んなだけではなく、生産者と消費者が近い距離にある都 市農業も、それぞれの季節を彩りながらまちに賑わいをもたらしています。また、商工業も多く、地域の 暮らしに寄り添い、日野らしさの土台をつくっています。
私はこの日野の魅力ある産業をこれからも、もっと発展させていきたいと思っています。しかし今日、 各産業分野での担い手不足が顕著になっていることから、これらの産業の様相は変わりつつあります。 農地の減少や、企業の撤退など、この変化を、ただ見ているだけではなく、今何をすべきか考えて、これ からのまちを盛り上げていく地域のリーダーである、青年経済人が必要だと感じています。
そのためにも、まずは、私たち日野青年会議所がまちの現状を認識し、今の時代を創る新しい技術やツ ールにも目を向けながら、地域の皆様と共に学びを深めます。この学びを経済や産業の発展と、まちの賑 わいにつながる取り組みに繋げていきます。そして、私たち日野青年会議所が地域を支える青年経済人として、この日野の誇れる産業を土台に、地域や人、魅力をつなぎ、さらに盛り上げてまいります。

【輪を広げ、仲間を増やす】

昨年度の準備段階ではメンバーの人数は二十名を割っておりました。現在は拡大活動の 結果メンバーも増え、二十半ばほどの人数になりました。しかしながら、私が入会した際に は、四十余名で、その当時と比べると約半分程度の人数です。組織として、活動するために はまだまだ人数が少ない状況です。本年においても卒業生が多く、それを上回るほどの人材 の確保に努めなければなりません。そして様々な多くの仲間が入ることによって、日野青年 会議所の中での価値観や運動に幅が広がり、それが運動に繋がっていくと思います。また、 価値観や運動の幅を広げることは“メンバーを増やす”ということだけに限りません。対外の 団体との関わりを持つこと、協力関係を築いていくことで仲間をつくり、日野青年会議所の輪を広げていくことも大切なことと考えています。
現在の入会のきっかけはメンバーの知り合いや声掛けによる入会者、そして先輩諸兄姉からご紹介いただいた方が多くの入会に繋がっています。我々自らがしっかりとアンテナ を張り、入会対象の方に関する人柄や情報などを会全体で共有をし、日野青年会議所の認知度 を上げるために日々の活動や運動の発信を行い、先輩諸兄姉のご協力も得ながら、新しい 仲間を増やしていきます。そして新入会員が次の時代を創るメンバーとなるようしっかり とフォローをしていきます。

【会員拡大と組織の活性化】

私は入会から今まで、この青年会議所での活動を通して、普段の生活や職場だけでは得られない豊富な学びや、出会いを多く経験してまいりました。普段では関わることが出来ないような異業種の方や地 域の方との交流、それは全て自分にとって価値のあるものとなり、現在の活動の原動力となっています。 社会人になってからもこうして笑い合い、自身の成長やワクワクを共有できる仲間を、これからも増や していきたいと思っています。
青年会議所は、40歳になると卒業するという仕組みがあり、毎年新陳代謝が行われている組織です。 代謝を続ける組織だからこそ、共に活動出来る仲間を見つけ、新しい出会いや成長のきっかけをつくる ために継続して会員拡大に取り組んでまいります。
そのためにも、全会員で拡大運動を行う必要性や組織について理解した上で、ときには先輩諸兄姉の皆 様の力をお借りしながら、たくさんの交流を通して日野青年会議所の運動を、多くの方にも知っていた だく機会を設けます。そして私たちの理念や運動内容に共感していただけるような取り組みを行ってい きます。
今の日野青年会議所は入会3年未満の会員が多く、とてもフレッシュで勢いがあります。こうした会員 一人ひとりが輝ける場をつくり、全員で拡大することを通じて日野青年会議所の組織の活性化に繋げま す。そして、また新しい会員を迎えることで、新たなコミュニティの幅を拡げていけるよう全会員で挑戦 してまいります。

【わかりやすい組織運営と運動発信】

青年会議所は20代から30代の会員で構成されています。日野青年会議所の中には、事業主だけではなく、企業に勤めている方や公務員の方も多く活躍しており、就業時間もライフスタイルも多様な会員 が増えています。
このように様々な背景を持つ会員たちが、主体的に活動へ参画できるように、組織運営を改革させてい くことが必要だと考えます。そこで、会員が新しいツールについて学び、それらを積極的に活用すること で、誰でも組織の状況をわかりやすく把握し、参画しやすくなるように組織運営を行ってまいります。
また、日野青年会議所の運動を多くの方にご理解とご賛同いただくためには、絶えず運動発信を続けて 認知度を上げることが重要だと考えます。会員全員が自信をもって運動発信が出来るように、日野青年 会議所についてだけではなく、地域の活動について学ぶ機会や、各事業への積極的な参画を推進してい きます。そこで得た知識や経験をもとに、継続的に発信を続けることで、日野青年会議所の認知度を上 げ、存在感を高めてまいります。

【結びに】

私は、「まずはやってみよう」という気持ちで日々行動しています。まず一歩、足を踏み出してみて行動しながら最善を探し、ゴールに向けて走り続けます。ただそれは、ひとりきりで出来るものではなく、 周囲の支えがあってこそ、より良い結果に繋がると思っています。たくさんの方の意見に耳を傾けなが ら自分にはないアイディアや知識を得ることで、想像以上のものが出来上がること、それが何よりも代え難い価値であると信じています。 この日野青年会議所の理事長への挑戦もそのひとつです。この過程の中で、多くの方からの助けをいただき、また、たくさんの想いを受け継ぎました。ここで得た経験や学び、そして感謝を、次世代を担う会 員にも繋いでいきたいと思っています。
私たち日野青年会議所は、会全体で2025年を共に駆け抜け、会員一人ひとりの個性と能力を最大限 に活かしながら、あらゆる分野に対する好奇心を失わず、共に学び、その学びを活かして、新しいことに も積極的に挑んでいきます。そして、私たちの誇れるまち「日野」を創りあげてまいります。
このまちに愛着を持ち、全力でこの年を楽しみながら、私たちは一丸となって青年会議所の理念である 「明るい豊かな社会」の実現に向けて、大きく飛躍してまいります。